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聖騎士のおじさんはお誕生日【前編】

やっぱりー…書き上がらなかったよー…

エロシーンがないってどういうことなの。(書きますよ。

あと、拝借いたしましたルーアス君及びPLでした何時だって呟き中さんありがとうございます。

一応、敬称略です。

※何も知らない方に申し上げますと、ろいったーというROキャラでTwitterするって企画のキャラクターでした。

ヴィンツェンツ設定

聖騎士のおじさんはお誕生日【前編】

 

「本当に折角の御誕生日なのに料理だけでよろしいんですか? ヴィンツさん程の物を作れませんし、他に何か欲しい物はありません?」

そろそろ床につこうと身支度を調えている所で背後から声がかかる。

「小洒落たプレゼントをもらうのも嬉しいけど、キミが俺の為に何かしてくれるからこそ価値があるんだよ」

心から嬉しそうな笑顔を浮かべて振り返り、同居人である彼の側まで歩み寄ってほんの少し低い頭を撫でた。嬉しそうなままではあったが続く言葉は少し躓く、頬を赤らめて口籠もりかけたが、誤魔化すように話題を変えた。

「それに、そのもう一つくらいお願いしようかなって思ってるけど……ええっと、その、メニューは何か決めてくれたかな?」

ちょっと恥じらった様子は気になったが、その場は流して質問に答える。

「御誕生日ですし、少しですが手の込んだビーフストロガノフでも作ろうかと思ってます」

「わー、お肉料理! いつもより良いお肉使ってね!」

先程よりも更に嬉しそうな様子でヴィンツはルーアスの両手を包み込むように握って、年甲斐もなくぶんぶんと上下に振る。腕力があるから、気を抜いていた一瞬思いっきり引っ張られそうになった。

「勿論ですよ。ヴィンツさんの御誕生日ですしね」

思った以上にテンションが上がって呆気に取られたが、本当に子供のように無邪気にはしゃぐ様子に嬉しい反面ルーアスの方が気恥ずかしくなってきてしまった。

「さすがにさ、男とは言え三十過ぎてから誕生日と言っても歳を取るのかとあんまり嬉しくない気持ちもあったけど、付き合いだけでなく特別誕生日を祝ってもらう相手がいるって嬉しいね!」

ヴィンツはすっかり舞い上がってしまっているらしく普段であれば、恥ずかしくて彼の方が口籠もる場面であるが、素直に感想を述べ、更には頬を紅潮させて喜んでいた。

「あ、ああ、そうですね。それは良かったです」

一緒に喜んでやるのが良いかと思ったが、見た目こそ実年齢より若く見えたが世間ではおじさんと呼ばれるような歳のヴィンツがはしゃぐ様子が可愛く見えて思わず視線を逸らして頷くので精一杯だった。

「……あ、そう言えば、もう一つの御願いって何ですか?」

今度はルーアスの方が話題を変える。
勢いか相変わらず嬉しそうにヴィンツは嬉しそうに頷いて……

「あ、ああ……えええええ、えと、あの、そのだね!」

恥じらいも忘れて年甲斐もなくはしゃいでいた所が、一気に恥ずかしいのを思い出した様子だった。そのまま勢いで誤魔化そうとしようとしたが、誤魔化せない様子で慌てだす。
口にしにくいお願いのようで、ルーアスが表情を伺うと耳まで真っ赤で握った手を見下ろすような形で硬直していた。
十分に迷う間があってから、結局言葉を濁す。

「あ、明日言うよ。その、えっと、あー……た、誕生日なんだから、見逃してよ」

「そんな事言うんですか? どうせ明日言うんですよ」

赤くなってのお願いだ。こちらまで気恥ずかしくなるようなキザな事をさせようとするか、エッチ系のお願いをしてくるのは検討がついた。誕生日だから見逃すようにと言われて意地悪く返す。

「………………い、今、言ったら、明日仕事の間じゅう挙動不審になっちゃうよ」

「だから、明日は休めば良いと言ったじゃ無いですか」

既に挙動不審だと内心思いながら、折角の誕生日なのに休日出勤を入れた事に少し呆れたような様子で言ってみせる。
先程の真っ赤さとは別の様子ではにかんで笑い。

「毎年、職場で祝って貰ったのを今年から断るし……ほら、ウチには呼べないからついでに出勤にしたんだよ」

同居人と表現したし通り同居人であるが、本当に正直に二人の関係を言うなら恋人同士であった。しかし、二人とも聖騎士団から大聖堂に出向しているパラディンであり、大っぴらにその関係を公言出来る訳ではなかったので極力二人で同居している事は周りに知られたくなかった。
幸いヴィンツの以前の家は狭く、新しく広い部屋を借りたが大聖堂から遠いし古くて汚いので皆を呼びたくないと誤魔化しに成功した。それにルーアスの方も元は寮住まいで部屋が広くないから呼べないと誤魔化してある。住所はほんの少し困ったが、大家の助けを借りて少し変えた上にそれぞれ勤務部署が違うのではっきり知られる事は無かった。

「翌日でも。そう思いましたが翌日は日曜日でしたね」

「うん。だから、翌日はちゃんと休日を取ったよ。だから、いいじゃないか……」

何となく顔が再び赤くなったのに、詳細は分からないがどちらのお願いかルーアスははっきりと確信した。
口を開こうと思ったが、誕生日だからと逃げたのを思い出したのと、逃げ出すように歯を磨く為か洗面所に向かう為に部屋を出て行ったので追いかけたが追求するのは辞めて、急いで寝ようとするヴィンツに『明日は楽しい日になると良いですね』と囁き口付けいつものように広いベッドで就寝した。


翌朝。ヴィンツの誕生日の当日だ。
そうは言っても、土曜日なので基本的に大聖堂の公務はお休みで人は疎らだった。警備の聖騎士達が少数いるくらいでいつも通り通用門から入ると見知った人間としか顔を合わせなかった。
流石に誰も彼もが祝ってくれる訳ではないが、日頃顔を合わせる同僚・後輩は口々に誕生日おめでとうと声を掛けてくれる。特に男性の後輩からが多いが、その中には今年は何で誕生日もクリスマスもパーティしなくなったのかとしょんぼりとした独身も寮住まいの者達に声を掛けられた。
歯切れ悪く誤魔化したが、幾人かには恋人でも出来たんですかと詰め寄られた。特に自分の部下である隊員達はほぼ全員休日である者まで来て、話に花が咲けば話題は勿論更に……。

「ヴィンツ小隊長ぉ~! お誕生日おめでとうございます!」

「私達からは、オススメのスイーツの詰め合わせです」

そう言って女性隊員から渡されたのは言葉通りの店名を見ただけで美味しそうだと思える包みがいくつも入った紙袋だった。

「わぁ! キミ達ありがとう。嬉しいなぁ、大切に食べるよ」

「いつも奢ってもらってますし~」

「好物なんですし!ヴィンツさんでも満足いただけるように買い集めてきました」

「あ、今日食べなくても大丈夫なように焼き菓子とか日持ちのする物にしましたよー」

嬉しそうな笑顔で袋を眺めていると、別々の女性隊員が口々に言って顔をお互いに見合わせてにっこりと笑う。不思議そうにヴィンツが眺めていると、一斉に彼女たちは彼に視線を向ける。

「今日は、いつものお祝いしないって聞いたから……」

「やっぱり、そのぉ……小隊長殿も、いよいよなんですよね?」

彼女達が顔を見合わせて嬉しそうにしていた真意に気付き、顔に出してはだめだと思ったが、生まれついて表情に出ないようにするのが苦手で困惑と照れが出てしまう。
男相手ならまだしも、そういう表情の変化に気付きやすい女性には、誤魔化しきれない間で顔にでてしまっていた。

「そ、そうあって欲しいけど……違うよ!えっと、説明が難しいけど、親友と言うか、家族というか……残念ながら恋人ではないよ」

少しだけ説明し難いのが、心に引っかかるが立場上はそうする他なく言葉を濁す。

「俺達も気になるなー。どうして今年はクリスマスパーティーしないんですか……」

「ヴィンツ先輩はいつまでも俺ら側だったと思ったのに抜け駆けとか酷いですよ!」

今まで女性隊員に気圧されていた様子の男性隊員も声を上げた。いつも毎年一緒だが、甲冑の手入れに必要な消耗品一式を手渡してくれる。
嬉しいが多勢に無勢過ぎて少し泣きそうになった。

「あ、ありがとう。でも、酷くないよ。そもそも俺だってこんな歳だし、恋人がいない時点で相当かわいそうだよ!」

言っていて悲しくなったが、去年まで事実だったし、言いにくい事情もあるのだからと言い聞かせて返す。

「それにクリスマスはちゃんと差し入れするし、俺ボランティア参加するんだよ」

「ほらほら、ヴィンツさん困ってるじゃないですか。その辺でよしておきましょうよ」

助け船といえる言葉に思わず伏せていた視線を上げるが、その彼女の笑顔は一瞬口元がニィとつり上がり、それからいつもの柔和な笑みに戻る。
助け船は嬉しかったが、彼女の笑みが少し怖くて見返す表情がひきつってしまった。

「小隊長にも事情がおありでしょうし、結婚とでもなればお呼びいただけるでしょうから、その日まで楽しみに待ちましょう」

優しい言葉なのだが、自分が悪いと言えば悪かったが人目を避けていたのに健康の為にと一緒に同居人にも持たせているお弁当の中身の一致と、一緒に弁当を食べているところに気づき同棲疑惑を持った彼女の言葉なので生きた心地がしなかった。
しかし、自分だけが知っていれば満足のようで言う気配はない。

「あの、その、今は期待に沿うようなことじゃないけど……もちろん、結婚となればキミたちに報告するよ」

心の中で絶対言わないで!と念を押しつつ、やっぱりまた彼女と二人きりになったら今日の事を聞かれるのかなと不安になったがどうしようもなく、その場は彼女に追従した。

「そろそろご飯食べて、仕事に戻るよ」

今日は昼食時に絶対暇でも顔を出さないでとルーアスクンに言っておいて良かったなとぼんやり考えながら、弁当を摘まんで午後の仕事に向かった。
最後のお願いは言わないままだったが、今晩言うことを考えると浮き足立ってしまったが何とか仕事を終え、いつも通り帰路に着いた。

 

<<つづく>>

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